CATEGORY:

2010年05月23日

獣医師の方の苦悩

西日本新聞社のWebサイトにて、獣医師の方の苦悩が感じられる記事が掲載されていました。
現場の方の情報がなかなか入らない中、作業にあたっている獣医師の方々は全国から来られているようです。
防護服の背中には都道府県名が書かれているようです。
写真も掲載されていました。

現在、ほぼ毎日のように感染の疑いのニュースが流れています。
作業にあたられる獣医師の方の人数も圧倒的に足りないようです。
なかなか思うように進まない状況に、疲労感、悲壮感が漂っている現場、しかし、次々に支援の輪が広がっています。

22日付の宮崎日日新聞の記事では、タレントの島田洋七さんも福岡で義援金の呼びかけを行って下さったようです。

以下、西日本新聞社Webサイトより

「往診に通っていた農家の牛を、自分の手で殺すなんて」‐。家畜伝染病「口蹄疫」が急拡大し、牛や豚の殺処分が続く宮崎県川南(かわみなみ)町の現場。動物診療所を営む獣医師、小嶋聖(せいじ)さん(39)は21日夕、作業を終えて自宅に戻り、ため息をついた。応援の一般行政職員も罪なき動物の命を奪う手伝いに苦悩を募らせる。感染が表面化して1カ月が過ぎたというのに、処分できた家畜は対象約13万頭の半分ほど。今後は、殺処分を前提としたワクチン接種の関連作業が現場にのしかかる。

 小嶋さんがこの日訪れたのは、牛の繁殖と肥育を一貫経営する農家。以前、往診に足を運んだ知り合いだ。作業は午前10時半から6時間に及んだ。

 密閉された防護服に身を包み、中は蒸し風呂状態。汗が止まらない。右手の指先が痛い。ひたすら牛に注射を打ち続けた。数えてみれば、140頭近い。

 「子牛もいた。何のために生まれてきたんだろうと考えながら…」。鎮静剤を打ち、おとなしくなったところで静脈に殺処分用の薬剤を入れる。作業効率化のため1列に並ばされた牛。1頭ずつ倒れていく。

 「ものすごく体力も神経も使うのに、何の達成感もない」と声を落とす。それでも「お世話になった農家さんばかりだから、最後の区切りは自分がつけてあげたかった」。22日も朝から現場へ出向く。

 宮崎県農政企画課の事務職、水田隆史さん(36)は応援要員。これまで3カ所で畜舎の清掃や消毒などに従事したが、養豚農場での作業は、想像を絶した。

 暴れる子豚を抱き押さえ、獣医師が心臓に注射を打つのをじっと待つ。腕に感じるぬくもり、震え…。「切ない、すさまじい悲鳴をあげるんです」。人間の赤ちゃんが泣き叫ぶのに似た声が、今も耳に残っている。

 同県によると、この日一日で防疫現場に投入された人員は約630人。国や他県などからも職員が応援派遣されてくる。だが、獣医師の中にも殺処分に不慣れな人は多く“急造部隊”の作業は手探りに近い。

 それでも、みんな黙々と目の前の仕事に没頭する。作業3日目という、県外からの応援獣医師は「自分の地元で起きていたらと思うと、ひとごとでない。短い間かもしれないが、被害に遭った農家のためできるだけのことをしたい」。そう言い残し、送迎バスに乗り込んだ。




いかに現場が想像に絶する状態か・・・

現場に行けない私達ができることは、防疫に努め、消毒への協力、募金活動への参加、やれることを続けていきましょう。







Posted by TFC  at 04:46 │Comments(0)

<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。


削除
獣医師の方の苦悩
    コメント(0)